九州遠征記 2009年 182012年08月16日 12:34

さて、野池でバスも釣った事ですし、ちょっと移動してみます。

そう言えば宮崎の名物と言えば焼酎が有ります。

焼酎と言えば鹿児島を思い浮かべますが宮崎も負けてはいません。
材料は同じく芋ですね。

面白いのはアルコール度数で、他の地域は30度、25度が主体なのですが、宮崎は20度の物がかなり多く流通しているようです。

税金が安くなるからと言うのが理由ですが、これには密造酒との戦いの歴史が有るようです。

古澤醸造

「古澤醸造」さんです。

上の話はこの醸造所を見学させた頂いた時に聞いた話です。
友人がこの醸造所で生産している「ひとりあるき」と言う芋焼酎が好きで、見学をお願いしたと言う経緯です。
HPを見るともう商品ラインナップから外れているようですが。

もう10年くらい前の事ですね。

この時はまさに本格焼酎ブームの真っ盛りで、最初は電話で見学をお願いすると渋い返事を頂いてしまいました。

どうやらここの焼酎を取り扱いしたい業者からの工場見学希望が多くてちょっと困っていたようです。

結局は、私たちが一般人だと分かると、ご丁寧にご案内頂く事が出来たのですけどね。

この時は引退したご隠居と言うか先代に、醸造工程や宮崎の焼酎の歴史を説明してもらいながらゆっくりと見学させて頂きました。

私は焼酎とかにはあまり詳しくは無いのですが、この時2つ印象に残った事が有ります。

①長く続く蔵には蔵固有の麹が住み着いて、それこそが酒の風味を決定付ける要素となる。
そしてその風味を「ばか」と言う。

「場香」と書くそうです。

全く同じ材料、同じ工程で酒を作っても全く異なる風味となるのは、蔵に自然に繁殖した麹黴の力による物なんですね。

②醸造家は土地の有力者。
これは直接聞いた訳では無いのですが、蔵に隣接した住まいに案内頂いた時に感じた事です。

典型的な日本家屋なのですが、玄関に取り入れられた古い時代のタイルをあしらったハイカラな風情、凝った欄間の造り、素晴らしいお宅でした。

特に驚いたのは、勧められてトイレを借りた時でした。

扉、壁、天井、全てが見事な紫檀の板張りです。
造成時に、わざわざ取り寄せて紫檀をあしらったとの事ですが、どれだけのお金を注ぎ込んだのか想像が付きません。

九州の一地方、それも何十年も前のそれほど大きくない町の醸造所でこれだけの贅を尽くせると言うのは、どれだけの力を持っていたのでしょうね。

今でも酒の流通の世界では醸造元の力は大きいと聞いています。

ここでも、東京の焼酎販売で有名な酒屋さんが取り扱いを求めて来たとの事です。
この酒屋さんは、ここに約一年間滞在し焼酎製造の仕込みから瓶詰めまでの全工程を携わり、ようやく取り扱う事を許されたとの事です。

凄い話ですね。

この時ご案内頂いた先代は、既に亡くなられてしまいました。
一緒に話を聞いた仲間も、もう一度お会いしたいと言っていたのですが、叶わない話になってしまいました。

2009_05_03_日南_河川2


さてポイント移動です。

良い雰囲気なんですが、何も釣れません。
明日はもっと南下ですね。