正月料理 鯨2014年01月03日 00:07

今日は三日、再び正月ネタでも。

実家から送られた北九州の正月の食材、2点を酒の肴にして一杯行きました。

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鯨から取れる珍味、百尋です。
ひゃくひろ、と読みます。
直径10センチ弱の小腸の湯通しした物です。

北九州は正月の魚として、ブリ、アラの他に鯨を伝統的に食べて来ました。

その中でも珍味とされ喜ばれるものに、ナガスクジラの尾身と百尋があります。

ナガスクジラの尾身はもう入手は困難ですが、トロリとした脂の旨味と肉の風味、他と比べるべき物が無い美味さでした。
あえて比べれば、サシの入った牛肉に魚の脂の旨味と風味を加えた物を想像すると割りと近いかも知れません。

そして百尋。
強い海の香りに、コリコリした食感。
噛めば噛むほど湧き出して来る強いコク。
味は全く異なりますが、上ミノの食感、旨味はマグロの頬肉が近いのかも知れません。

こいつをポン酢とカラシで口に放りこんで、日本酒をグッと行くと堪らない美味さが喉を駆け抜けます。

しかし、その百尋も今は品薄となっていて、美味いのはそうそう入手出来ません。

調査捕鯨のミンク鯨の百尋はちょこちょこ見かけますが、小さく細い上に味もワンランク落ちます。
これは太さから見るとおそらくイワシ鯨だと思います。

100グラム当たり最低で2~3,000円はするので、なかなか手が出ませんね。

さすがの美味さでした。

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そしてオバイケ。
関東ではオバケと呼ばれるようです。

これもスーパーなどで売っているフワフワした食感の無味無臭な物とは全くの別物。
コリコリした食感に軽い鯨の脂が残っていて、何とも言えない深い旨さです。

以前にも書きましたが、北九州には鯨屋さんと言う商売が存在していました。

肉屋、魚屋と同じレベルで鯨屋と言う存在が有った訳です。

鯨と言うと単独で商売になるのかと思われるかも知れませんが、鯨と言っても何種類も居ます。
シロナガス、ナガス、イワシ、ザトウ、マッコウ。
部位でも赤身、ランク別の数種の尾身、前述のオバイケ、内臓関係の百尋、サエズリなど、鯨だけで立派に商売として成立するバリエーションが有ります。

今では北九州小倉の旦過市場でも鯨屋さんは2軒だけになりましたが、まだまだ頑張って鯨を揃えてくれています。

そしてそのお店で入手して送ってくれたのが上の写真の二品です。

そのお店と両親のおかげで、今年も美味しい鯨を食べる事が出来ました。
ありがたい事です。

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今日はもう一つ贅沢をしてみました。

石垣島のパン屋さん、「ル・キュイップ」でクリスマス用に提供してくれていた鶏と鴨です。

今日は鶏を食べてみました。
フンワリ、香り高くグルリされた鶏と脂がたまりません。

毎日食べすぎでちょっと体重が心配になります。